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下関市完全予約制美食レストラン
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包丁とは料理人にとって大事な道具のひとつ
この両端の2本は、この道に入り、初めて買った包丁
今でこそ「料理人は~」なんて語ったりしてるけど
師匠の元にいる頃、自分を料理人だなんて口に出来ないどころか、自分の包丁すら持たせてもらえるまでが大変だった
そんな頃も今は貴重で青春の良い想い出
例えばその昔、唯一扱わせて貰える包丁が、パートのおばちゃんと共用で
しかも、それがどこの家庭にもあるごく普通の包丁だったという頃
その包丁をパートさんがぎこちなく使っていると「お前の手入れが悪いからパートさんも仕事がしづらいんだろ!!!」と怒られたりだとか
忙しい合間の休憩時間には毎日の様に桂剥きの練習をしなければという雰囲気であったのだが、
その時に先輩が決まって、「この薄刃(野菜切り用の包丁)を使え!」と渡してくる
一見、先輩の包丁を借りれるなんて光栄な事のようだが
桂剥きの仕上がりが悪い分、「包丁を貸してやったのに、なんて奴だ!!」なんて余計怒鳴られちゃう訳で
そんなんだから、内心みんなの前で練習したくないし、包丁なんて借りたくないしって
もちろん、そんなことは決して言えないんだけど (笑)
だから自分の包丁を持つことがすごくすごく自分には遠く大きな夢だった
料理学校を卒業して来た人は学校の時からのMY包丁をみんな持っていたが、なぜか自分は包丁なんて100年早いとか、それどころか「お前なんか辞めて帰れ」なんていわれ続けたりして。
そんな感じで当たり前のある日、いつもの様に仕込みをしてると
「お前アホか!なんで人の包丁使ってんねん!!!」
今まで通りの事をいきなり否定され怒鳴られた
そんな理不尽ともいえる訳の分からない日
店に包丁屋さんが来た
他の誰でもない、自分の元に
つまり、そのイチャモンのような怒鳴りこそ、「自分の包丁を買え」というOKのサイン
恰好で仕事をするな!という意味と、この先仕事が小さくならない様に!という先輩たちからの強制的なセレクト(熱い応援の気持ち)による『柳(刺身包丁)、薄刃、出刃』の3本
その選ばれた包丁はどれも一番下級の材質で、サイズも扱い辛い大きな大きな物だったけど
単に料理の仕事をしてるから包丁を買ったよ~という程度でなく
買えた事、買わせてもらえたことがすごく嬉しくて、泣けるくらい
本当に宝物の記憶
たまたまお店がゆっくりで、包丁を磨きあげながらその時の事を思い出した